今回は横スクロールの原点といわれている『ディフェンダーシリーズ』を紹介する。ディフェンダーシリーズは日本ではカルト的に人気を持っている上に意外と良い評価を得ている作品だ。Wikipediaによると、2は『スターゲイト』という名前でファミコンに移植されているようだ。プレイヤーは戦闘機を操作してエイリアンのUFOから人類を守るために戦うのだ。このシリーズの横移動は押した直後はちょろっとしか動かないが押し続けていると加速して高速移動に発展する。また、このシリーズは高速移動による事故多発を防ぐためにレーダーが搭載されている。そのため、敵の位置を把握すればどの位置で減速すればいいのかがわかりやすい。ルールはシンプルながらも意外と作りこまれていて一度やると病みつきになるのは確実だ。ディフェンターにインスパイアされた作品としてセガの『ファンタジーゾーン』、Bio100%の『スーパーデプス』などがある。
Midway Web Arcadeで公開されているディフェンダーシリーズの操作方法は基本的にはスペースキーで攻撃、方向キーで移動、nキーでどっかにワープ(使用回数制限有り)、bキーで弾数制限有りのスマートボムとなっている。さらにディフェンダー2ではvキーを押すと使用時間に制限のあるステルス迷彩をすることが出来る。
レーダーを良く見て敵と一般人の位置を把握せよ!
花火のようにきれいな自機の死に様。
敵を全滅させるとこの画面になる。
ディフェンダー2ではいつでもワープできるワープホールが追加されてる。
もちろん、敵もかなり追加されている。
ディフェンダーシリーズは移植版の多い作品でもある。なかでもアップル2、アタリ2600、コモドール64、PC/AT互換機はその常連客といえよう。初代はその4つの他にもアタリ8ビット、アタリ5200、コレコヴィジョン、インテリヴィジョンなど移植機種数は圧倒的だ。両方を移植したものとしてPC/AT互換機&海外ドリームキャスト&海外プレステ&海外スーファミ&海外メガドラ&海外ゲームボーイに出ている『Williams Arcade Classics』とゲームキューブ&PS2&XBOXに出ている『ミッドウェイアーケードトレジャース』がある。ただ、2本が入っている『ミッドウェイアーケードトレジャース』は海外版で日本上陸時点ではこの2作は削除されている。ミッドウェイアーケードトレジャーズシリーズに収録されているゲームのほとんどはスクショ見ただけで食欲をそそられ、犠牲にされるには非常に惜しい作品ばかりだ。エミュ移植ならモータルコンバットシリーズやプライマルレイジなどCEROにいちゃもんつけられそうな作品を犠牲にしてもかなりの余裕が出来るはずだ。その余裕の埋め合わせに力を入れるあまりディフェンダーシリーズの他にもシリーズの作者が手がけたNARCやスマッシュTVも犠牲にせざるを得なくなったのかもしれないのかもしれない。あるいは「シューティングは売れない」という考えを持った日本人たちによるチョイスによるものというのも一理ある。が、今ではパレット操作による色変更エフェクトを見れば新しい説が見えてくるではないだろうか。それは「ポケモンショック説」である。ポケモンショックとは赤と青の激しい点滅が数秒続いたシーンで子供たちを中心とした多くの視聴者が光感受性発作で病院に運ばれるというアニメ界の衝撃を与えた事件である。ひょっとしたら、スタッフはその派手な色変更エフェクトによるポケモンショックの二の舞を避けるためにあえてディフェンダーシリーズを未収録にしたのではないか・・・この説はある意味では有力な説になるだろう。
一瞬で敵を全滅させるスマートボムやUFOに囚われた人間救出などさなざまなアイディアが盛り込まれ、完成度の高い作品に仕上がったディフェンダーシリーズ。知名度があっただけに日本版アーケードトレジャーズに収録されなかった点はファンにとってはかなりのショックだったのだろう。見ただけでは楽しくなさそうだが、実際やったら意外と楽しい。それがディフェンダーシリーズに限らない欧米作品の魅力だろう。プレイしたい人はミッドウェイWebアーケードに行ってガンガンプレイしてほしい。
このゲームの難易度は2つとも高く、クリアすることよりまずは操作に慣れることを優先してプレイしたほうが良いだろう。
ミッドウェイWEBアーケードにワープ!
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