へっどしょっと先行者(以下HSS)とはまこりそ氏が製作した国産TPSのひとつで、先行者という中華ロボットに基づいた装備(ミサイル、ブレード、股間キャノンなど)を駆使して対戦相手と戦ういわばデスマッチルールのゲームだ。オンライン対戦、LAN対戦にも対応しており、日本語チャットも出来る。CPUの考えがあまりにも貧弱、ゲーム自体が単調なのでいまいち面白みが見えてこないなどの欠点はあるものの、ゲーム自体の単調さを逆手にとってプレイヤー同士のコミュニケーションでルールを自由自在に変えることが出来るのが最大の魅力だ。HSSは単なる戦場ではない。戦場の緊張感と空き地の自由度を兼ね備えた隠れた名作である。
X OPERATIONS(以下、XOPS)とはnine-twoとTENNKUUによるゲーム製作チーム「team MITEI」による国産FPSである。XOPSにはシングルプレイバージョンとマルチプレイバージョンの2つが存在しており、前者は主に与えられたミッションをこなしていくことを主に、後者はインターネット上あるいはLAN上にいるプレイヤーとチームを組んで対戦する事を主としている。シングルプレイバージョンのミッションは特殊部隊ものはもちろん、ゾンビと戦うバイオハザード系、異様に硬いサイボーグが出てくるターミネーターものもある。ライフシステムはリアル系FPSで名高いレインボーシックスシリーズを基にしており、一瞬の油断で死ぬ事もある(もちろん、敵も例外ではない)。ライフの少なさによる緊張感とリアリティ、連係プレイの楽しさがXOPSならではの味といえよう。
HSSとXOPSは無料で入手できるソフトウェア、いわばフリーソフトウェアである。公式サイトかベクターで手軽に入手できる。その上、LZH圧縮(XOPSはZIP圧縮)なので解凍するだけですぐにプレイできるというおまけつきだ。この手軽さからHSSとXOPSはFPS&TPSの入門にはもってこいというわけだ。ただし、解凍するにはLhasaやNoahなどの解凍ソフトが必要なので持ってない人は必ず入手すること。
WSAD方式とはWSで前後移動、ADで横移動(カニ移動とも言う)、マウスで旋回&攻撃するという今日のFPS&TPSのスタンダードというべき操作方法だ。昔(ウルフェンシュタイン3DやDOOM、カタコームアビスなどの時代)は「方向キーで前後移動&旋回、Alt+左右で横移動」という方式があったのだが、より立体的攻撃や自由度が増した方向転換によってカバーしきれなくなった。FPS製作メーカーたちによる試行錯誤の末、FPS&TPSの操作方法はWSAD方式に統一されたのだった。
先にも述べたとおり、HSSとXOPSはLAN対戦やインターネット対戦などのオンライン対戦が出来る。クライアントはサーバーに接続するだけで簡単に戦場に飛び込むことが出来るぞ。ただし、鯖によってはどうしても入れないのもあるので注意。また、鯖になる人は環境によっては全ての人をシャットアウトしてしまうので立てる前に自分のネット環境を知らなければならない。これについてはまこりそ氏の「へっどしょっと先行者のサーバ構築方法」を参考にしていただきたい。
HSSもXOPSもカスタマイズの自由度が高いゲームだ。HSSはペイントソフトによる数字テクスチャや照準などの作成、メタセコイアなどの3DツールとHSSモーションエディタを使った機体作成、QuArK(Quake Army Knife。もとはQuakeシリーズのマップエディタなのだが、SiNやヘクセンシリーズなど同じエンジンを使ったゲームにも対応している。今ではハーフライフ2に対応した6.5が出ているのだが、HSSマップ作成に使うなら5.1以前にしたほうがいい。)を使ったマップ作成などが出来る。XOPSの方はと言うと開発者が独自に作成した「X operations TOOLS」を使ってマップやミッションを作ることが出来る。「X operations TOOLS」はマップを作るブロックエディタ、人や武器などを設置するポイントエディタ、ミッションデータを作成するMIFエディタで構成されている。アイディアと3つのツールを駆使して自分だけのオリジナルミッションを作ることが出来るのだ。作ったミッションはシングルプレイ版のaddonフォルダに入れればすぐにプレイできるぞ。両者はまさに無限の可能性を秘めた一品ともいえるだろう。
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